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「親切会」より受賞


 ちいさな親切、おおきなお世話。と言われた時代もあった。しかし今では、だれも小さな親切から目をそむけようとしている。朝、阪急花隈駅(兵庫県でバリアー対策のひとつに取りあげられている問題の駅)のなが~い階段で立ち往生しているお年寄りに、「荷物持ちます」と声をかけ、いっしょにゆっくり話しながら階段を昇るのは爽快な気分を味わわせてくれる。そして、このように善意でやったことをいつまでも覚えていないのがよい。聖書には「右手でしたことを左手に知らすな」とある。だが、ボクは修行が足りない。たまにしかしないから記憶しているのだろう。日常茶飯事ともなれば、覚えていられないのだ、きっと。まだまだ気づきが遅いなと反省。
 とにかく都会では、大きなお世話が消えつつある。役割とか当番で動いても、自発的にしなくなった。この風潮が、もちろんわが子の世界へとまん延する。いじめられていても、見て見ぬふりをしてしまうのだ。親の背中が、何も教えなくなったのは悲しい。

( 親切会 )   http://www2.himdx.net/sinsetu-kai/