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不登校生への対応


 27年間フリースクールを続けていますが、巷では相変わらず「不登校生を必ず治します。」「すぐ学校にもどしてあげます。」というような甘言をふりまくインチキ商法が横行し、親たちの不安感を増幅しています。最近また新聞広告で大々的に「不登校の専門家」と宣伝し、多額の費用をかき集めている団体があります。そんなあこぎな手法を使うのは、ネズミ講と同じく、詐欺商法に近いものですから、調子のいい話には乗らないで下さい。
 不登校といっても、理由はさまざまで、同じ解決方法なんてありません。しかも不登校は治すものではありません。治さなければならないのは、学校や我が国の教育の体質です。この多様の時代に、60年前と変りなく、一同を教室に詰め込んで一律の教育を施しているシステムに疑問を感じるのは自然なことです。東大の安冨教授は「不登校というのは、親や学校からおしつけられたシステムに適応することへの抗議だ」と述べられていますが、いまだに学校や教育委員会は、不登校の子どもたちに「適応指導教室」を準備し、毎年大きな予算を計上しています。去年やっとフリースクールや民間の居場所を応援する法律「教育機会確保法」が成立しました。文科省も不登校が毎年12万人で、ここ10年間減らないどころか、去年は13万人になっており、刀折れ、矢が尽きた思いで、民間のフリースクールや居場所の力も借りて、なんとか不登校を減らそうという多様な学びを認める方向にシフトしました。もうこれからは、学校だけじゃないと大手を振って、フリースクールに通っていただいても結構なのです。  兵庫県もひとりひとりの個性を重視し、多様な学びを推奨しているのです。しかし、それをあくまでも学校内ですべて片付けようとするから子どもたちを追いつめ、イジメ自殺などの悲しい結末を招くことになるのです。いまの学校のやり方に、「ついていけない」とNOを宣言した不登校生は、古い体質の教育をチェンジして、個性をたいせつにした多様な学び方を求めています。子どもたちの声に、うめくようなか細い声に、ボクら大人は正面からむきあうことが、なにより大切だと思います。大人が勝手に対策を立て、方針を決め、なにがなんでも従わせようとするのは、大人の傲慢です。さらに謙虚になって、子どもたちの声に耳を傾ける必要があります。「生きるべきか死ぬべきか」と真剣に揺れている子どもたちの気持ちにしっかりよりそって、心の耳をすまして、聞きとどけてほしいのです。大人のやりやすい方法を押しつけるのでなく、子どもたちが生きやすい道をいっしょに模索していくことが、不登校生への対応の必要条件だと思います。 フリースクールでは、毎月「不登校を考える親の会」を開催しています。はじめての方もぜひご参加ください。 毎月第4日曜日午後2時30分~4時30分
2018/01/17田辺 克之